● 打瀬船(うたせぶね)の構造(こうぞう)

(1)特徴(とくちょう)
 船が風で流されないように舳先(へさき)が低くなって〔のめって〕いることから、「のめり船」とも呼ばれていました。「浦安町誌(うらやすちょうし)」には、「長さ5間(けん)、肩幅(かたはば)4尺(しゃく)8寸(すん)、深さ2尺」という決まりが書いてありました。
 また、船が傾(かたむ)くのを防(ふせ)ぐために、船のアシ〔シキとカジキの角度(かくど)〕を強くしてありました。

※1間=約(やく)1.8メートル、1尺=約30センチメートル、1寸=約3センチメートル
正面図
▲平面図・立面図

(2)船の使い方
 エンジンが普通(ふつう)に使われるまで、打瀬船は「とも櫓(ろ)」と「わき櫓(ろ)」の2つでこいでいました。わき櫓の位置(いち)は、帆(ほ)を使用する打瀬網漁(うたせあみりょう)のときと、帆を利用しない貝漁のときによって変(か)えていました。浅いところで、漁をするときには、櫂(かい)を使っていました。

(3)打瀬船(うたせぶね)の帆(ほ)
 打瀬船には、「オオッポ」とよばれる大きな帆(ほ)と「ヤホ」と呼ばれる小さな帆を張ります。帆の大きさは船の大きさによって決まります。
 「オオッポ」は約(やく)一反(いったん)の布(ぬの)を6枚(まい)、「ヤホ」は5枚合わせてあり、それぞれに名前がついていました。