船こぎの苦労
● 浦安の船こぎ名人
 「櫂(けえ)は三年、櫓(ろ)は三月」なんていわれるくれぇ、船をあやつるのはむずかしいんだ。
海苔(のり)作りのはじまり
 
【浦安の船こぎ名人】
浦安では
(けえ)の名人は、洒落櫂(シャレゲエ)という技 を使う「鵜縄漁師(うなわりょうし)
(ろ)の名人は、「延縄漁師(はえなわりょうし)
(けえ)と櫓(ろ)を使い分け、自在に船を操(あやつ)る名人は、「投網(とあみ)のカジコ」
と言われていたんだよ。
 
● 櫂(かい)
 浦安では櫂(かい)のことを「ケエ」って
呼んでたんだ。
海苔(のり)作りのはじまり
 
櫂をさす姿
▲櫂をさす姿
 浦安で使われていた櫂(かい)にはいろいろな種類がありました。その長さから、それぞれ「二尋(ふたひろ)ヤブキ」「三尋(みひろ)ヤブキ」「四尋(よひろ)ヤブキ」などと呼ばれていました。また、短い櫂を「ツイゲ(ツイネ)」、長い櫂を「オオヤブキ」を呼(よ)んでいました。
 船を進ませるには、櫂で海底を突(つ)きました。深い場所では櫂を櫓(ろ)のように使っていました。これを櫂櫓(ケエロ)と呼んでいました。
 
大漁旗を掲げた新造船
▲一尋(ひとひろ)は大人の男性が腕(うで)を広げた長さで、約(やく)1.8メートルです。
大漁旗を掲げた新造船
▲二尋(ふたひろ)ヤブキは二尋(約3.6メートル)にヤブキの長さ(約1メートル)をたした長さの櫂の名前です。
 
● 櫓(ろ)
海苔(のり)作りのはじまり
 櫓は8の字を書くようにこぐんだ。
こぎ方を身につけるには3ヶ月はかかるなぁ。
 
櫓をこぐ姿
▲櫓をこぐ姿
 櫓(ろ)は奈良時代(ならじだい)に中国から伝わったものと言われています。
 櫓には「トモ櫓<約(やく)5.5メートル>」、「ワキ櫓<約(やく)5.2メートル>」、「マエ櫓<約(やく)4.9メートル>」などがあり、ベカ舟で使う短い櫓は「ベカロ」と呼ばれていました。