大切な船
 お正月なんかは、自分とこの船に、松を立てたり、もちやお酒(さけ)なんかをそなえたりしたんだ。
 船は大切なもんだからな。
 漁師(りょうし)はみんな大事にあつかったもんよ。
海苔(のり)作りのはじまり
 
 貝漁(かいりょう)や海苔養殖(のりようしょく)、魚をとる漁業(ぎょぎょう)などによって暮(く)らしを立てていた浦安の漁師(りょうし)たちにとって、船はなくてはならないものでした。そのため、漁(りょう)を終えたあと、砂(すな)を取り除(のぞ)き、水洗(あら)いして塩を落とし、太陽(たいよう)の光で船を乾(かわ)かしたりして大切に使っていました。
 
【船を信仰(しんこう)していた漁師】
 浦安では、船は信仰(しんこう)の対象(たいしょう)として漁師たちからまつられていました。
 打瀬船(うたせぶね)のドウノマという部分にはオフナサマ(もしくはフナダマサマ、フナガミサマ)という神様がまつられていました。
 オフナサマがまつられない小さなベカ舟なども、1月2日の初乗りの日には、お供物(そなえもの)をするなどして、漁の安全と豊漁(ほうりょう)に関(かん)して祈(いの)りました。