● 自然(しぜん)と共存(きょうぞん)する貝漁
 
 
 浦安の海では古くから貝漁(かいりょう)が行われ、漁師は自然のバランスをくずさないように、さまざまな工夫をしてきました。最(もっと)も注意したのは、貝をとりすぎて、数が減(へ)ってしまわないように、貝を保護(ほご)しながら漁をすることです。

● ジムショマキ
 
 漁業組合(ぎょぎょうくみあい)が管理(かんり)しているイケバで行う大マキ漁(りょう)のことをジムショマキといいます。11月の中旬(ちゅうじゅん)になるといよいよ漁の開始です。漁師(りょうし)は4人1組(くみ)でマキ船に乗りこみ、急いでイケバに向かいました。
 ジムショマキは、漁の道具の目のあらさや、時間、数量(すうりょう)、場所が決まっていました。
 
ジムショマキ
ジムショマキ
 
● 道具の目のあらさの決まり
 小さな貝をとらないようにするため、大マキカゴとガタは漁業組合の検査(けんさ)に合格(ごうかく)したものしか使用できませんでした。大マキカゴの目のあらさを調べるのに「検査棒(けんさぼう)」を使いました。カゴやガタを作るときには「はかり棒」で目のあらさをはかりました。

検査棒(けんさぼう)
ズーム
検査棒
大マキカゴやガタの目合
(めあい)を 検査します。

▲ガタの目の検査 ズーム
▲大マキカゴの目の検査 ズーム
 
● 時間
 ジムショマキは、2日おき、1日おきにとりに出て、漁の時間はおよそ2時間でした。漁の始まりや終わりなど時間を知らせるのに、サイレンやラッパが使われました。
 
サイレン・ラッパ
ズーム
サイレン・ラッパ
 
● 数量
 その年の貝の成長(せいちょう)や身のつまっている具合によって、1そうごとに貝とりができる量が決められています。だいたい、いっと樽(だる)〔いっと=約(やく)18リットル〕に100杯(ぱい)くらいでした。