投網の投げ方
●細川流(ほそかわりゅう)の投げ方
 船の上から投(な)げる投網はまるで、真夏(まなつ)の夜空に広がる花火を思わせるほどなんだぜ。

1.手なわをていねいにしまだにして持つ 2.網を輪にして手なわの上にまく 3.輪をしだいに大きくする
4.残りが腰のあたりにきたら、最後をしまだにして持つ 5.十個ていどのおもりを一束にし左のひじにかける 6.残ったおもりを持ち上げて一列にそろえる
7.右手の指を使って網を5等分する 8.ふたたびおもりを一列にそろえる 9.網の広がり部分を作る
10.船首に背を向けてかまえる 11.両手を前に出し、おもりを左に移動させ 12.おもりがのの字を書くように自分の右へはげしく投げる

●投網の形
 俺たちの投網は、とる魚によって網目を変えたりといろいろ手間がかかるんだ。でもこの投網がなければ何もできなくなるから、俺たちにとっては命の次に大切な道具なんだ。
 
 投網は円錐状(えんすいじょう)の形をしています。網の下[網裾(あみすそ)]には、網が速(はや)く沈(しず)むよう、たくさんのイワ(重り)がつけられています。
コロガシ漁
▲網の部分名称

●投網の素材(そざい)と手入れ
 昔(むかし)の投網はカタン糸[綿(めん)]や麻糸(あさいと)[麻]でだったんだけど、今では化学繊維(かがくせんい)のナイロン糸や、釣(つ)りで使うテグス糸に変わってきたんだ。
 化学繊維のおかげで、網の性能(せいのう)がよくなり、手入れも楽になったけど、昔は網を必(かなら)ず真水で洗(あら)って干(ほ)したり、シブ(柿渋)で染(そ)めたりと、手入れが本当に大変だったんだ。